つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

230430今週の読書記録

おはようございます☀

GWが始まりました!我が家は特に大きな予定はないですが、昨日は公園はしごしてクタクタになっております(メンズカルテットは今もよく寝ています)。

私個人は久しぶりに会う友人と楽しくランチした日があり、充実した一週間でした。御茶ノ水の1899にて🍚

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今週は4冊です📚

「錦繡」宮本輝(著)

宮本輝さんご著書引き続き。離婚した夫婦が十年ぶりに再会、文通をするのですが「過去」「現在」から「未来」に焦点が移っていくさまが切なく美しく感じました。このまま離婚しなかったらどうなっていたのだろう・・と思わずにはいられない。個々に孤独を抱えて生きている中でも、忘れることはないのだろうなと勝手に考えさせられた一冊。

 

 

「草原の椅子(上)」宮本輝(著)

宮本輝さんご著書3冊め。「錦繡」でもあったのですが、「生きていても死んでいても同じ」というような死生観がにじみ、決して悲観的だけでなく現実的です。そう思えるのは宮本輝さんの書き方が上手く、また深みのある思考があるからだと思うのですが、奥深くて面白い一冊でした。下巻も楽しみです。

 

 

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディみかこ(著)

妹におすすめされて、ようやく読めたもの。イギリスで保育士、ライター、コラムニストとして活動し息子さんを育てている方です。この本では「元底辺中学校」という公立中学校に入学した息子さんがメインで描かれています。

この本のタイトルはその息子さんの、ある日の走り書きなのだとか。多様性に揺れるイギリスのリアルを垣間見た気がしたし、子どものたくましさや可能性、鋭い洞察力も感じられます。私たちが知らぬうちに抱く帰属意識の行き場や捉え方の難しさが、ほぼ単一民族国家の日本ではあまり感じないけれど、多様性の中だと浮き彫りになるのだな…とか、人柱の上で成り立つ世界が悲しいけど存在するのだな…とか。

2巻もあるようなので、読んでみたい。

 

 

「死について考える」遠藤周作(著)

遠藤周作さんのご著書はこれまでも少し読んでいます。

rmoryrim.hatenablog.com

rmoryrim.hatenablog.com

rmoryrim.hatenablog.com

rmoryrim.hatenablog.com

 

タイトル通り「死」がテーマですが、少し前に読んだ「家で死のう!」とリンクする内容も多く。自身について考え、共感できる内容でした。

rmoryrim.hatenablog.com

 

特に印象に残ったのは「孤独と苦しみへの理解」のところ。私たちが誰かの痛みや苦しみを和らげて差し上げようと思ったら、できることは「孤独ではない、自分たちも一緒ですよ」という言葉や態度を伝えることなんですよね。肉体的な苦痛も精神的な苦痛も、この苦しみは誰にもわからないのだ、自分だけで苦しんでいるのだと思うから、より辛くなってしまうのだけど、その幾分か半分かでも誰かに引き受けてもらえたら、鎮まってくるのだと。ここを読んで思い出したのは、我が子を産んだときのこと。陣痛は辛い、痛い、苦しいけれど、助産師さんがさすってくれたり言葉がけしてくれたり、テニスボールで痛いところを押さえたりしてくれて、なんとか乗り切れたものです。一人ではとても気持ち的に無理でしたね…。ですので、あれしてこれして、我慢してねではなく、相手の孤独や苦しみを理解するようなひと言を添えられるよう意識したいと思いました。