つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(211024)

おはようございます☀

すっかり朝晩冷えますねぇ。早朝ランニングも暗くて寒くなってきました💨

 

写真は昨日の「ランニングと保育」での朝食。ラン後のホテルビュッフェ、めちゃくちゃいい。チョイスしたレストランもかなりGOODでした!

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今週は5冊です。

「私とは何か 「個人」から「分人」へ」平野啓一郎(著)

いろんな人向けの自分(分人)が自分を構成している。目に見える自分、感じる自分、移り変わる自分は全て「本当の自分」。いろいろな人格があっても、顔は一つしかないのであらゆる人格を統合しているのは顔、隠したくなるのも名前や首から下よりダントツで顔、という話もなかなか面白い。

付き合う人の数やタイプによって私たちは複数の分人を持つことができる。相互に配慮しつつ、無理なくカスタマイズできて、「この人と一緒にいると楽しい」「このときの自分が好き」だと思える相手との関わりを増やす。個性とは分人の構成比率であり、生涯不変のものではない。私が知りうる自分とは相手あってのもので、誰かと一緒にいるときの、何かを想うときの自分の状態にすぎない。自分を知ろうと思うなら関係の深い人を知ることだし、自分をよくしたいと思うなら自分がよいと思う人と付き合うことである。自分のことを好きになりたいと思うなら、「この人と一緒にいるときの自分が好き」だと思える人との関わりを深める、そのときの分人の構成比率を上げる努力をすることである。自分を愛するためには、他者の存在が不可欠で、逆説的ではあるけど、分人主義の自己肯定に繋がるということ。他者との相互作用の中にしか自分はいない、ということ。

ネガティブな分人の半分は相手のせい、ポジティブな分人の半分は相手のおかげ、といえる。私たちの人格の半分は他者のおかげであるということ。

自分をどうこうする、というのは個人に閉じた問題ではなくて関係性をどうにかする、ということですよね。宇田川元一さんの「他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論」でも言っていました。

 

rmoryrim.hatenablog.com

 

恋と愛の違いの章も興味深かったです。

誰かのことを好きになれば、一時的でも一方的でもそれは恋である。そこから関係を継続させていくこと、相手のおかげで、それぞれが自分自身に感じる何か特別な居心地の良さを感じられたら、それは愛だ。なかなか深いです…!

 

 

 

宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話」長尾彰(著)

よりよいチームにしていくための、リーダーシップの本といった感じでしょうか。最大のミスは私が宇宙兄弟を読んでいないこと(アマプラで映画は観た)。キャラクターや場面が多用されているので、宇宙兄弟をちゃんと知っていたら全然理解度が違ったのだと思います。

凸凹があって一つの四角ができるのだから、正反対の2人から始めるのがいいということ。お互いの違いを理解する「マインドセット」で重視したいのは価値観(好きなこと/嫌いなこと)、信念(正しいと思っていること/間違っていると思っていること)、世界観(美しいと感じていること/醜いと感じていること)。相手について、この辺りが掴めていれば行動の意図を理解し、すれ違いを回避することができる、という話はなるほど。どんな人間関係でも活用できそうです。

心理的安全性について、かねてから知りたいと思って本を予約しているのですが、ここでも記載がありなんとなく分かりました。コミュニケーションの量を増やすこと、それもただ増やすだけでなく、間違っているかもしれないこと、分からないこと、失敗したことでも、話せるように関係を築く。「何を言っても大丈夫」「リスクを取って失敗しても責められない」という心理状態のことを言うのですね。

 

 

 

「25歳からのひとりコングロマリットという働き方 仕事も肩書きもひとつじゃなくていい。」おちまさと(著)、本田直之(著)

これからの働き方のスタンスを問う一冊。30代でも気付く点は十分ありました!痛烈なのはまえがきにあった「取引先をたった一つに依存している会社があったら、危険すぎますよね。」という話。手広く、マルチというのは経営として当たり前すぎるのに、やれ個人となると一つの会社に定年まで勤めて・・・という既成概念がガチガチに作られているという不思議。「既成概念からの解放」、一歩外に出ませんか?というメッセージや実際のハウツーが詰まっています。コングロマリットとは初耳でしたが、多業種を扱う企業のことを表すのですね。

 

本田直之さんの本はこれまでにも何冊か読んでいます。

rmoryrim.hatenablog.com

rmoryrim.hatenablog.com

rmoryrim.hatenablog.com

 

 

 

「だから、あなたも生きぬいて」大平光代(著)

ベストセラーで聞き覚えはあったものの、遅ればせながらです。いじめ、自殺未遂、非行とどん底まで落ちてからの、弁護士への道。いやぁ〜…想像できないくらい壮絶です。

いろいろ考えさせられる点はありますが、無条件に「あなたはあなただからいい」と愛してくれる人がいるかどうかに尽きると感じました。大平光代さんの場合は「自分よりも世間体が大切なんだ」と感じてしまった途端に、家族との溝ができてしまった。そしてどん底から這い上がってこれたのは、無条件に応援、支援、時に優しく時に厳しく見守ってくれた養父の大平さんの存在が大きいだろう。司法試験一発合格という快挙は病床のお父さんに一刻も早く報告したい!本当にお尻に火がついてそうするしか、選択肢がなかったように思います。想像できないほどのハンディ、コンプレックス、悩み、不安、這い上がるときに大平光代さんが抱えていたであろうネガティブなものは大きいはずだ。だけどそれをきちんと昇華させて、今のお仕事や育児に活かされているのは、大平光代さん自身の強さであり優しさ。子どもたちには「あなたはあなただからいい」ともっと伝えたいし、自分自身の前に現れる壁にも、心して臨みたいと教訓と勇気を得た一冊です。

 

 

 

「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン(著)、岡崎暢子(訳)

LinkedInで紹介されていて読みましたが、これ面白かったです!内容はタイトルの通り。たびたび挟まれる名言「人生とは速度でなく方向」(ゲーテ)、「階段のすべてを見ようとするな。ただ最初の一歩を踏み出せ」(マーチン・ルーサー・キング・ジュニア)、「ヨルダン川を幾度となく渡っては戻ってこそ、自分に似合う服がわかる」(ホン・ロッキ)、「そんなに簡単に、なりたい大人になれると思ったら大間違いだぞ!」(映画「海よりもまだ深く」)はいい感じに心に刺さり、イラストレーターの著者が描く挿絵もクスリと笑えて和むもので、読み進めるのが楽しいです。

一生懸命頑張っているのに充実感がない、疲れている、寂しくなっている方に特におすすめ。読了後は肩の荷が下り、何か始めたく(もしくは何かやめたく)なると思います。

私が心がけようと思ったこと。

・たまには年齢を忘れてみる。

ピチピチ(死後)の若い人がいると「もっと若かったらなぁ」「隣にいて大丈夫かな」、うんと年上の人を前にすると「舐められないだろうか」「しっかりしなきゃ(変に力む)」、勇気を出そうとすると「いい年して恥ずかしくないか?」と、あまり意識していないつもりでも無意識に「年齢感」が足かせになっていること、あるなぁと。年齢は目安であって、それ以上に重みを感じなくていいはずです。だから私は自分も他人も年齢のことは気にしないように、意識しようと思いました。「おいくつですか?」と聞かれたら、気持ち的には「27歳」と答えることにします(※心の中で)。今も楽しくやっていますが、勢いやノリで見ると27歳、いい感じだったので。笑

・誰のための一生懸命か?、考えて自分のペースとコースを見つける。

一生懸命生きていて辛いのは、その一生懸命が自分のためじゃない、ペース過多、コースミスのどれか。この本は一貫してそこを考え直すようにメッセージを伝えているようですが、誰かが決めたレールを走ることほど苦しいことはないということ。自分で決めたつもりで決めていない、目的を持ったようで持っていないこともあるので、そこを点検したいですね。

・やりたい仕事なんて探しても見つからない、訪れるもの。

急がなくてもいいと思いますが、出会う努力はしたほうがいいと思います。今の生活が辛い、変えたいものであれば、生活圏から少し変化を遂げてみる。

・人生はなぞなぞ。

この例え最高です。最後まで誰も答えがわからない、とても難しくて、楽しむことが目的であるはずのなぞなぞが、人生。答えを出すことに集中するのではなく、解くことをもっと楽しみたい。人生は「答え」よりも「リアクション」が重要な試験、という話も納得。自然界の動物もみなそうですよね。