つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(190610)

「3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ」ダナ・サスキンド(著)、掛札逸美(訳)、高山静子(訳)

義母からのおすすめです。「育児真っただ中のお母さんたちにも読んでほしい」と仰っていました。乳幼児期の話しかけが重要とは至るところで叫ばれていますが、なぜ重要なのか、どんな話しかけが知性や可能性を伸ばすのに有効とされているのかが表されています。ここでは話しかけのキーワードとして3つのT(Tune In(注意とからだを子どもに向けて), Talk More(子どもとたくさん話す), Take Turns(子どもと交互に対話する))が挙げられています。3つのTの実践例も書かれているので、子どもとの暮らしの中でどんな対話ができそうか、イメージしやすいと思いました。

 

印象に残ったことを箇条書きで

・男女差の固定観念は母親から娘に渡される負の遺産

・自分自身をどう見るかという自己像(自己イメージ)に言葉が影響するように、言葉はスキルにも影響する

 「男の子のほうができる」が親(特に母親)からの何気ない言葉の節々に込められていることが何かとあり、女児は物心ついたときから「自分は男子よりできないんだ」と思ってしまいやすい。例えば「女の子は数学が得意でない」という言葉や雰囲気を感じ取ってしまい「私は数学が得意でない」と自分自身を認識してしまう。そこで「勉強しよう!」と言われても、無意識にもこれらの言葉が自分自身に反論したり、能力を育む機会が損なわれてしまうことがあるそう。

他にも、女の子が試験で良い点を取ると「頑張ったからできた」、取れなかったときには「能力がないからできなかった」という、努力で補う/補わないのようなニュアンスの声かけがされがちなのに対して

男の子は「もともと才能があるからできた」「頑張らなかったからできなかった」という、才能があること前提での声かけがされやすいということ。

私はその点三姉妹で男兄弟がいなかったこと、中高一貫の女子校に通っていたこと、父母が三人娘の自主性をなるべく最大限尊重してくれた(悪く言うと放置というのか、、、干渉されることはほとんどなく「勉強しなさい」も言わなかった)からそのような言葉を浴びる機会はなかったのかなと思います。そういうものなんですね、気をつけようと思いました。

 

・話しかけは語彙以上のものを与える

 算数、空間的推論、読み書き、自己制御、ストレス耐性、粘り強さ、倫理観…持って生まれた可能性(強み)を最大限に発揮できるか否かは、保護者による乳幼児期の話しかけが大きな意味を持つ。

 

・子どもと話すときは「ふくらませ、伸ばし、足場をつくる」トークをしよう

・grit(グリット:取り組み続ける強さと意欲)を強くすることが、意思の働きを促すことができる

・テクノロジーは役立ってもいるが、デジタル機器の使い方は注目に値しますし、デジタル機器が幼い子どもと保護者のやりとりを阻むのであれば悪影響を減らすべき

 結果ではなくプロセスを褒めよう、はよく言われますよね。私たちも心がけているつもりです。あとは、ダメなときはなぜダメなのか誰もが納得できる理由をわかりやすく添える、お父さんやお母さんは○○だと嬉しい/悲しいなどと感情を伝える、上手くいかなかったときにその行為や子どもの否定はせず、どうしたらよかったか話し合う、も、子ども相手とはいえ見せるようにしています。長男は2歳、できることは思うまま、なるべくチャレンジさせたい、見守りたいと思ってはいるものの見守りと叱るべきボーダーラインの引き方がわからなかったり、私自身の都合(時間がないとか、散らかさないでとか、機嫌が悪いとか)で態度を一貫できないことがあって悩んだり反省したりの日々です。今朝の日経のインタビュー記事に「お子さんが味噌汁をかき回したり池に石を投げたりして波を立てていても、黙って見守ってください。自然の不思議さに夢中になっている時間を大切にしてあげてください」と宇宙物理学者の小松英一郎さんという方が答えていたそうで、夫から共有されたところです。そう、ついせっかちになってガミガミしちゃうときがあるので「ああーこの子は神童かもしれない」「自然を学んでいるんだ」と思って見守りたいです。

「今日のおはなし」と言って、時間があれば物語調に息子の一日を振り返るのが話が上手になってきてからずっとブームです。テレビからの情報は一方通行で記憶に残りづらい、神経回路の作り方が違うと科学的にも証明されているそうなので引き続きこのような時間は大切にしたいです。

 

 

「必ず「望む結果」を引き出せる!ハーバード式交渉術」ロジャー・フィッシャー(著)、ウィリアム・ユーリー(著)、岩瀬大輔(訳)

夫が仕事で「ネゴシエーション研修」を受けた際の課題図書で、読むといいよと渡されたので読みました。これもなかなかタメになりました。

私はオンでもオフでも、この本でいうとソフト型で話をするタイプでして、営業色ある職種で難しさを感じることがよくありました。契約を取れるパターンとしては「Kさん(私)、真面目で頑張っているから」というものが多くて、これもこれでとても嬉しいんですけどお互いの利益を最大限に、とか、議論しながらアイディアを広げながら一緒に答えを探す、ではないんです。人と問題を切り離して考えられないので「これを言ったら印象悪いかな」と思って一番大事なところをふわっと伝えてしまう、人柄だけ認めてもらって中身がいまいち詰められない、高め合えないといいますか。ちなみに2歳長男はここでいう超ハード型、ゴリゴリの営業マンスタイルで自己主張と無理難題しか言わず我が道を突っ走っていますが。笑

日常生活でもそうで、伝えたいことをドーンと一方的に伝えるだけで引かれてしまうのは寂しいし、言いたいことの何割かしか言えず当たり障りのない話で終わってしまうのも勿体なかったり。良い時間の過ごし方をするにはそれなりのテクニックと心がけと事前準備が必要だと学びました。

 

最後は関係ない写真で締めます。

長男が「動物かるた」でなかなかの腕前を見せていると保育園で聞き、息子とカードゲームがしたい夫がお手製で作った「動物神経衰弱」。息子が好きな動物をネットプリントして、500円弱で作りました。昨日やってみたらですね、2歳児と良い勝負でしたよ!泣 私こういうの全然苦手で、よそ見しまくってた長男とトントンということは追い抜かれる日も近いですね。

 


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