つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(190225)

「一年で駅弁売上を5000万アップさせたパート主婦が明かす奇跡のサービス」三浦由紀恵(著)

44歳でパートとして社会人デビュー、のちに所長まで上り詰めた三浦さんによる、仕事術が詰まった一冊です。夫に薦められて読んだもの。

仕事術といっても特別なことではなく「そりゃやったほうが良いよね」「私でもできそうな気がする」ことばかり。でも、それらに気付いていて頭でわかっている(けど、行動が伴わない)人と、実際に行動すること、さらには継続している人では、同じ仕事でも吸収して感じられること、得られるもの、楽しめる範囲は変わるんだなと、三浦さんが言うからこその説得力で伝わってくる。

関わる相手(ここでは駅弁を買うお客様、一緒に働く人、取引先のお弁当屋さん)にとっても自分にとっても良い仕事ってなんだろうと考えたとき、「関わる相手と楽しい時間を共有できる」「働いている自分を楽しめる」の2点を満たしていることだと感じました。

三浦さん、仕事でも大成功されてますけど、家庭でも家族を明るく照らす良いお母さんだと思うんです(家庭での様子はあまり書かれてません、推測です)。 

「働いているから良いお母さん(お父さん)できてない」「家にいるから外では通用しない、働けない」ではなく「どっちも同じ、大丈夫!」と胸張っていい気がしました。

勇気をもらえた一冊でした!

 

 

「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」西原理恵子(著)

数ヶ月待って、ようやく届いた話題作です。良い子じゃなくていい、我慢しなくていい、王道じゃなくていい、夢は大事に、でも稼ぐ力はつけよう、男性に頼るだけの生き方はやめよう、みたいなことがゆる〜く書いてあります。

息子たち(女の子じゃないけど)にも、こんなことを伝えたいと思っているから、全部納得と共感。思いのこもった言葉で伝えても、親自身の日々の行いがズレてたら全く説得力もないから、私も言葉に相応しい態度を貫きたい。

 

おそらく私より長生きをして、悲しいけれどいつか死別し長い人生を自分で歩く息子たちへ。

「みんなで仲良く」「友達100人できるかな」で発揮される社交性や協調性なんかより、ずっと大事にしてほしいことがある。

それは、どんなときでも自分の希望といえるもの、好きなこと、大事にしたいことを、どんなものでもいい、途中で変わったりしてもいいから一つ持っていてほしいということ。不慮の災難に遭ったときや絶望的な場面で、道を拓くのは浅広く存在する「みんな」ではなく結局「自分」だと思ってる。一人真空状態にはならないから大丈夫、少数でも相互大事にしあえる仲間、パートナーは絶対にいる。

 

(2021.10.21再読)

変わらない状況は私のせいじゃないとしても、これからどうするかは自分で考えて生きようと思いました。西原理恵子さん自身が恵まれない境遇で育ち「このままでは嫌だ」と逃げるように上京して、上京後もさまざまな困難のなかサヴァイブして。多くの修羅場を目にしてきたのでしょう。若い女性に伝えたいことが詰まっています。結婚しても自分でなんとかできる力をつけよう、何回転んでも立ち直ろう、苦しいことがあっても大丈夫だと。

お二人のお子さんの育児が落ち着いて、幼かったときを振り返る「家なんて、もっと汚くてもよかった。洗濯物も、ためちゃえばよかった。家事なんて、全部あとまわしにしたらよかった。もったいないことしちゃった。」は、何度読んでも切ない。そう、子どもたちとの時間は宝物だ。宝物だけれど、それを守るためにも母は生き残る力を持っていないといけないということも、痛感する。

やりたいことを貫こうとすると、必ず苦手、不得手、コンプレックスなどにぶつかる(西原さんも、娘さんの思春期パートで述べていた)。ショックだし投げ出したくもなるし、現実を思い知るのは悲しいけれど、そこをなんとか乗り越えないと先はない。乗り越え方は自力で頑張るでも、他者の力を借りるでも、抜け道を探す、力ずく、緻密に計画する…いろいろあるんだろう。自分ひとりで難しくても諦めないで、なんとかすることがこれから先の人生、必要なんだと感じました。西原さんの言葉を借りるなら「根拠のない自信よ、さようなら。みっともない自分、こんにちは。」です。

西原さんは美大生時代に「特別な才能が自分にはない」と気づき、勝負できる、他の人が好んで来ないような業界で1000本ノック。空いている椅子を探して粘り強く仕事した。そのときの経験が次々のステージに繋がっていく。とても生きたキャリア談を見ているようでした。生活もカツカツで、仕事がなかなか認められなくて、(おまけにヒモ男を抱えていて、)大変だったと想像します。それでもなんとかするんだ!という、底力なんですよね。生きぬくための戦略、子どもたちには身に着けてほしいし、自分も身につけたい。生きてきて、今が一番幸せだと、そう思えるように、守りたいものを確かに持って今日も頑張るんだと思えます。私が守りたいものは自分主体の人生と、愛する子どもたち。そのためなら頑張れる。西原さんが言っていたけど、自由は有料、責任も有料。なのでやっぱり、大人になったらずっと稼ぐ力は必要。自分で働いて、お金を稼いで、一つ一つ自由を勝ち取って、責任を持てる行動をしたいなぁと強く思います。