つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

インタビューうけました(記事編)

ということで、大竹さんに書いていただいた記事がこちら。

目から鱗がたくさん!そしてなぜか少し涙。

自己省察と記事を受けての感想は次に書こうと思います。

※固有名詞などは編集しています。

 

「前向き」な姿勢で愛のある家庭を築く まやさん

 

 世の中にはいろんな価値観や理解の物差しがあるから、他人に自分を説明するときは誰にでもわかる職業や社会的な地位で語りがちだ。けれど、ひとりひとりにとってより重要なことは、誰にでもわかる外形的な器よりも、何に対してワクワクするのかだったり、お金や時間を度外視で力を尽くしたいことだったりするのではないかと思う。何を大切にして生きているのかを知ることは、その人の人となりを知ることだ。

  今回インタビューをしたのはまやさん。この日が初対面で、待ち合わせ場所に現れた第一印象は、やわらかく穏やかな人だった。そして話を聞いて思ったのは、穏やかなだけでなく一本筋の通った心を持っていること。真心と矢のようなまっすぐさ。名前の通りの人だった。

  自分ではない誰かにひたむきに愛を注ぎ込むこと。それがすなわちまやさんの大切にしていることだ。家族の愛情の深さを感じさせられたインタビューだった。

 

 

−まず、ご経歴から伺えますでしょうか?

 

ま:

いま29歳で、もうすぐ30歳になります。出身は名古屋で、2012年に理系の大学院を卒業してからは地元の化学メーカーに勤めていました。結婚を機に2015年に夫が住んでいる東京にやってきました。そのときに転職活動をして縁のあった今の会社に勤めるようになりました。2016年に長男を出産。1年間の休職を経験し、いまは復職しています。

 

—今回インタビューを受けようと思った理由は?

 

ま:

子どもが生まれて育児休暇を取得したのですが、そのなかで価値観の揺らぎがあって、これからどう生きていこうか考え続けてきました。そんな時に職場の先輩のMさんがインタビューをお勧めしているのを知って、ぜひ受けてみたいと思ったんです。他人の眼を借りることで、自分の知らない自分に出会えるのではないかと思っています。

 

−「価値観のゆらぎ」というと?

 

ま:

子どもが生まれる前は、自分軸でいまどうしたいかを考えて生きてきました。子どもが生まれてからは、そこに「未来」の視点が加わったんです。例えば、食べ物を例にとってみると、それまでは安くて美味しければよかったのが、より人の心がこもったものにこだわるようになりましたね。安いものには安いなりの理由あるんじゃないかと考えるようにもなって。

 

−他に出産前と後とで変わったことは?

 

ま:

・・・昔からの友達には「変わらないね」と言われるんです。やりたいと思ったことはやってみるという姿勢は変わっていないと。例えば学生時代からマラソンをしているのですが、産後4ヶ月で10キロ走り、いまはフルマラソンに挑戦しようとしています。

 

−マラソンの面白さってどんなところにあるのでしょうか?

 

ま:

私は物事を無難にこなすタイプなんですよね。金曜日までの課題があれば水曜日に7割の満足度で出すような。でもマラソンは無難にこなすことができないスポーツで、走っている時間は自分の限界にガムシャラに向き合う時間なんです。ガムシャラに走った後にゴールする達成感が忘れられません。それに走っている間は、連絡しようと思っていた人のことを思い出したり、買おうと思っていたものを思い出したり、意識の底に沈んでいたものが浮かんでくる時間でもあります。

 

—いまは走っているときに何を考えているんですか?

 

ま:

ぼんやりと考えているのは「これからどうしていこうかな」ということです。子どもとの時間を取るために生活を変えた方がいいのかとか、それともこのまま会社で働いて蓄えを作った方がいいのかとか。

いまは保育園に預けて時短勤務をしているのですが、それが最善なのかというと疑問があります。子どもにとって今という時間は今しかなくて、もっと一緒にいてあげた方がいいんじゃないかと悩んでいるんです。ただ、会社は育休の制度がしっかりしているし、二人目を考えたらすぐに辞めるという選択肢はありません・・・。かといって、子どもが熱を出したりしたときにすぐに駆けつけたくてもできないので、今の仕事をずっと続けるイメージもないです。明確なアクションプランが立たないことでモヤモヤしています。

 

—お仕事はどんなことをしているのですか?

 

大学生向けに就活支援の仕事をしています。学生から直にフィードバックを受けるとうれしいですし、大学の方々の課題解決の力になれるのはやりがいになります。

 

—家庭と仕事と、優先順位はどうのように意識されていらっしゃいますか?

 

ま:

家庭が最優先ですね。仕事は楽しいので大事にしたいですが、それも家族の幸せがあった上での話です。

 

—幸せな家庭とは?

 

ま:

自分を含め家族が家にいる時間を好きでいられるということでしょうか。家がくつろげる空間であること。笑いが絶えない家にしたいです。

 

—お子さんは1歳4ヶ月とのことですが、どのような性格でしょうか?

 

ま:

おしゃべりが好き。新しいことは避ける性格で、すぐに泣いちゃうしビビりです。そして食べることが好き。夫よりも私の方が好きですね。

 

—お子さんにはどういう人間に育って欲しいと考えていらっしゃいますか?

 

ま:

他人の気持ちがわかる人になって欲しいです。いまの会社には部下が身体を壊しても平気な上司がいて、人間を駒のようにみています。そんな人間にはなってほしくないですね。

それから、熱中できることを1つ見つけて欲しい。大きな災害などでいつ大事な人がいなくなってしまうかもわかりません。そのときに前向きに生きられるかどうかは、こだわりを持って取り組める何かがあるかどうかなんですよね。お金ではなく、自分の気持ちが喜ぶものを持ってもらいたいです。

 

—それをどうやって伝えて行きますか?

 

ま:

親が普段からそういう姿を見せるのが一番だと思います。それから、子どもが「したい」と思ったことは、どんな小さなことでも馬鹿げたことでも否定せずに受け入れて叶えてあげたい。「ダメ」「やめて」としたくはないですね。私の親は私のやりたいことを受け入れてくれる親でしたから、私もそうやって接してあげたいです。

 

 

 まやさんの話を聞いて感じるのは母親としての愛情の深さだ。「愛」という言葉こそ使わなかったが、見返りを求めずひたすらに子どもの幸せを想う気持ちの純粋さは「愛」と呼べるのではないだろうか。まやさんの大切にしていること。それは子どもを置いて他にはない。

 そしてもうひとつキーワードが「前を向いている人」だ。「前を向いている人と話していると、自分も前を向いて話したくなる」とまやさんはいうが、まやさん自身が前向きなエネルギーをもって日々を生きている。それは、信じられるもののある人間の強さ、というか自信のようなものだ。周りに流されず自分を大切にできる人。自分を大事にできるからこそ、周りの人のことも大事にできるのではないだろうか。

 そんな彼女のいまの悩みは、今の仕事を続けるのか、それとも仕事を変えて子どもとの時間を大切にするのかということだ。具体的になにをどうするのかという選択肢はたくさんあるだろう。だが、進むべき方向性は既に見えているように思えてならない。