つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(190506)

4/27-30(実家)、5/2-5(義実家)と出かけていて、今週は2冊です。

「職業としての小説家」村上春樹(著)

以前読んだ三砂ちづるさんの「女たちが、なにか、おかしい」でこの本の文章が引用されていて、読みたくなった一冊。

 

rmoryrim.hatenablog.com

 

ちなみに引用されていたのはこの箇所。

「あなたが(残念ながら)希有な天才なんかではなく、自分の手持ちの(多かれ少なかれ限定された)才能を、時間をかけて少しでも高めていきたい、力強いものにしていきたいと希望しておられるなら、僕のセオリーはそれなりの有効性を発揮するのではないかと考えます。意志をできるだけ強固なものにしておくこと。そして同時にまた、その意志の本拠地である身体もできるだけ健康に、できるだけ頑丈に、できるだけ支障のない状態に整備し、保っておくことーそれはとりもなおさず、あなたの生き方そのもののクォリティーを総合的に、バランス良く上に押し上げていくことにも繋がってきます。」

 

私は長男を出産するまで読書はあまりしていなくて、村上春樹作品は「ノルウェイの森」を読んだくらいです。無知すぎて、表紙の写真を見て「へぇ~村上春樹さんってこれくらいの年齢でこんな風貌なんだ」と新鮮でした。

小説家への歩み、物語を書くときのみならず、生活の中で、生きていく上で、また読者を思い大事にしている考え方や心がけている行い、さらには賞や学校教育について(小説家になる上で、という視点で)どんな意味合いに重きを置いているか、などなど、タイトルの通り「職業的小説家」が語りつくされた一冊でした。

小説家になりたいわけではないけど、自分の生活や生き方に取り入れたいことはいくつもありました。ざっくりですが、私なりに感じたことと考えたことも織り交ぜて残したいです。

 

第四回 オリジナリティーについて より

オリジナリティーとは新鮮であるがゆえに、時として他の人には不快な、不自然な、非常識な印象を最初は与えてしまうかもしれない。でも間違いなくその人自身のものであるなら、そしてその人が楽しい気持ちであるなら(明らかな悪とかでない限り)突き進んでいいと思う。

第六回 時間を味方につけるー長編小説を書くこと より

「時間を味方につける」、まさに最近考えていたこと!

村上春樹さんは「長編小説を書きたい、と思った時に書き始める」「他の仕事は入れず、それだけに集中できる時間を確保する」「気が乗る日も乗らない日も一日10枚と目安を置き、その通りに書くことにする」「頭の火照りを冷やす、クールダウンの時間を作る」「書き直しにも時間をかける」「書き直し期間に入る前に沈黙の期間を設け、なるべく全て忘れるよう努める」そうです。

「時は金なり」もしみじみ痛感していた私ですが、限りある時間をどう過ごしたいか、自分の意志でコントロールできるようになりたいとより強く思うようになりました。

第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み より

先ほどの引用箇所は、ここの章からでした。持続力を身につけるためには基礎体力を身につけること、心と身体は繋がっているしどちらも等しく私たちの肉体の一部なんだからと。村上春樹さんは毎日一時間のジョギングを日課としているそうです。

どんな風に生きていけたら、楽しいとか幸せとか私らしくとか、QOLが向上したとかって言えるんだろう。読んだ後に考えていて、私なりに導き出した答えは「まず心身が強くあること」でした。最強とか、ムキムキマッチョになる必要は全然ないと思うけど、生きるために必要とされる強さは持っていたい。心も身体も健全に機能していること、心と身体のバランスが取れていること(心や身体がそれぞれに素直に感じることに、注意深く意識できること)、私が言葉にすると抽象的すぎて「…で?」って感じになってしまうのですが。。。一番持続力を要す営みが人生だと思うので、一番心に留めておきたいパートでした。そしてそろそろジョギングします!

 

 

「美しく軽やかに暮らしを整える44の秘訣」辰巳渚(著)

義実家滞在中、義母が貸してくれた本です。『「捨てる!」技術』という本がベストセラーになったそうで、今回の本もそうですがまず家の中を整えて生き方をより丁寧に心地よくしよう、という想いがある方、という印象。昨年バイク事故で急死されたとも聞き驚きました。読者や息子さん娘さんに伝えたかったこと、家族とともに大切にしたかった暮らし、夢も希望もたくさんあっただろうと想像すると辛くなりました。

特に今の私に響いたのは「信念に基づいて捨てる…「いま」の「私」を基準に「行動」する」「無形のものを買う…お金は幸せのために使う」でした。

いま私がこうしたい、と思っている時間とお金の使い方の基準は「自分の心身を守れるか、他の動物や自然への思いやりがあるか」なんですよね。食べるもの食べないものがあること、正直に主張すること、気の合わない人や変だと思う人と関わりたくないこと、、、自分本位だと思われるかもしれないけど、上に書いた基準(信念)を持つ権利を行使しちゃいけない理由が見当たらない。ちょうどそんな心境だったので腑に落ちました。あと、辰巳さんと同じく私も近所の商店での買い物が好きです。店のおばちゃんと話す時間を自分も子どもも楽しんでいるし、少しばかりでも町が豊かになるのかな、循環の中に入っているのかなと思うと繋がりが感じられて嬉しい。ご縁あって知り合いになった農家さんからお野菜やお米を購買させてもらっているのも、同じ理由です。