つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

230108今週の読書記録

おはようございます☀

写真は三兄弟に渡したお年玉。子どもたちは「お菓子買うー」「まちおか行くー」(長男と三男)、「お花買いたいー」(次男)と意気込んでいました。

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母は仕事始めの週、ゆるりと動いて友人と飲酒初めも。西荻窪初上陸!

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今週は4冊です📚

「進化しすぎた脳 中高生と語る[大脳生理学]の最前線」池谷裕二(著)

「単純な脳、複雑な「私」」が面白かったのと、年末に「進化しすぎた脳」を勧めてくれた知人がいたので、こちらも。

rmoryrim.hatenablog.com

 

脳は大きいほど、シワが多いほど賢いというわけではない。脳は分業体制だけれどもホムンクルスで表すと、脳を占める割合が多い=器官が大きいわけではないことも分かると、初っ端からとても面白かったです(ヒトだと舌や唇、人差し指が大きくなる、胴が短くなるアンバランスになる)。

「単純な脳、複雑な「私」」でも触れられていたが、準備→意志→知覚→運動の順番は信じられないけど、実験結果を見るとやはり真実はこの模様。ラジコン化した(報酬系を支配された)ネズミの実験の様子を知っても、「自分」とか「心」、「意志」のあり方をどう定義したらいいのかますますわからなくなりますね…。一通り読んでみて、自分なりのAとして、「心とは、無意識という余白があるかどうか」かなぁと考えました。池谷先生の「表現を選択できること、それが意識」「言葉は意識の典型」という言葉も素晴らしいですよねぇ。それぞれの母国語に基づく「国民性」というものも、やはり存在するのでしょう。言葉が異なっていても、表情は世界共通というところの違いはなんなのでしょう。それだけ言葉が高次元のものの証ということか。

脳地図は一度決められたらそれで終わりではなく、環境や情報に適応して変化できる(指4本で生まれた人が分離手術をしたら5本指を使いこなせたし、一週間後に脳の様子もちゃんと変わっていた。バイオリニストの指に対応する脳は発達している。)、イルカはポテンシャルがあっても体がそこまでついてこなかったので宝の持ち腐れになっているという話も、とても印象深い。

ヒトも生まれ持った体や環境の割に脳が進化しすぎており(健常者の10%しか脳の大きさがないけれど、支障がなかった水頭症患者のお話もわかりやすかった)、持ち腐れている可能性もあるし、たえず変化に適応してきて今がある、ということも言えそうです(謎は深まるばかりだけれど、これからも生きていけるような希望も見いだせる)。

脳が乗る体の構造とその周辺の環境が重要、という言葉がとてもわかりやすいです。

脳は曖昧で、大雑把で、忘れっぽい、全部覚えられない、むらがある(ゆらぎと表していた)からこそ、成り立っているところもあるのかなぁとも。

 

 

怪人二十面相 私立探偵明智小五郎江戸川乱歩(著)

江戸川乱歩明智小五郎も初めて。面白くてあっという間に読みました(一日で)。明智小五郎シリーズ、また読みたいです。

 

 

 

「卒業」東野圭吾(著)

東野圭吾作品はいろいろ読んでいます。

rmoryrim.hatenablog.com

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大学4年生の男女グループが登場人物、その中の女子学生が死んだところから話は始まります。それぞれの事情や心情が絡まり、どんどん複雑になっていきますが加賀恭一郎によって秘密が明らかになっていく、というお話。

加賀恭一郎って聞き覚えあると思ったら「どちらかが彼女を殺した」の刑事ですね。大学時代の加賀(警官を志していないっぽい)このつながりも楽しめ、よい一冊でした。

 

 

 

「海からの贈物」アン・モロウ・リンドバーグ(著)、吉田健一(訳)

大西洋単独横断飛行したチャールズ・リンドバーグの妻で、ご自身も飛行家とのこと。貝殻を見て女性の生活を表す短編集といった感じでしょうか。少し読みづらい箇所もありましたが、概ね読みやすく共感するところもたくさん。

特に「ほら貝」であった「私たちは好んで複雑なところに行こうとしているけれど、単純なところが生きやすいのではないか」の問いや、「牡蠣」のいびつさをを中年の女性の生き様(改増築を繰り返してこうなった)に見立てるところ、「幾つかの貝」で私が〇〇を選ぶ環境もあれば、人生が私たちを選ぶ環境もある、と訴えるところなど。海辺の生活から自分の生き方、都市部での暮らしに思いを馳せてこれほどまでに表せるってすごいなぁとも思いました。また読みたい一冊であります。