つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(220116)

おはようございます☀

 

写真は先週末のイベントで作った獅子舞。保育士さんを講師に呼び、保育学生と一緒に「自由保育の中での製作活動」をレクチャーいただきました!

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今週は4冊です。

夜の国のクーパー伊坂幸太郎(著)

現実離れしたファンタジーな世界に「あ、これ離脱するかも…」と思いながら読んだのが正直なところですが、鼠が出てくるところくらいでちゃんと入ることができました。

仕組みや作戦、世界の動きを考えたり捉えようとすると、また権力を持ってしまうと、そこにいる人や生き物が「心と命ある存在」から「ただの物」になってしまうのだなとリアリティを持って感じました。その人個人には心や生命観があり、大切な家族や友人知人がいるはずですが、力を持って周りを見渡すと、そういう価値観だけではいられなくなってしまう。怖くもあり切なくもあり、視野の持ち方や物の考え方は常に意識したいと思ったところです。

 

 

「オー!ファーザー」伊坂幸太郎(著)

父親が4人いる、高校生の主人公の身の回りで事件が起こり、なんやかんやで解決する話。ちょっと現実離れ感があって、これまた入るのに少し時間を要しました。最後に散らかったことがそれぞれに繋がっていき、丸く収まりつつ謎も少し残して終える、伊坂幸太郎っぽい感じがします(笑)実写化したら面白そうだなと思ったら、2014年に既にされているのですね。

 

 

「プロフェッショナルの働き方」高橋俊介(著)

自分のキャリアを考える、働き方を考える材料としてとても読みやすく、わかりやすくておすすめです。背骨を一つ作れるように、さまざまなことを試して、さまざまな場所に足を運んで、さまざまな人や物と出会ってくださいという一貫したメッセージを感じます。プロフェッショナルとして生きていきたいなら毒まんじゅう(提供価値の対価以外の報酬)は食べてはいけないこと。内因的仕事観と規範的仕事観のバランスを感じること。ゲマインシャフトでなくゲゼルシャフト的存在になっているコミュニティを選ぶこと。特に考えさせられたところはこの辺りです。

 

 

「裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち」上間陽子(著)

上間陽子さんのご著書は「海をあげる」以来。

rmoryrim.hatenablog.com

 

「裸足で逃げる」は沖縄で、キャバクラなどの風俗業界で仕事をする若年女性にインタビューをした記録。そのほとんどのケースがどこか満たされない、必要な何かが欠けているといっても過言ではない家庭環境で育ち、若くして出産。孤立状態で、現状を変えるには根深い、さまざまなことに縛られながら子育てをし、働いて生活をしている女性の話だ。読むと胸が締め付けられて、本当に苦しくて、読み続けるのが辛い。どうしたらいいのだろうの思考が停止してしまい、「海をあげる」のときもそうだったのだけど途方に暮れてしまう。

沖縄と聞くと「ああー海がきれいで、いいところだよね」とまず反応していた私は、高校の修学旅行で一度訪れただけである。歴史的なところや今も続く社会問題、今回上間陽子さんのレポートで垣間見る暮らしやそれを引き起こしている根深い問題について、きっと何も知らないのだなとも思っています。物事を多面的に見られるようになりたい、ならねば、と思いました。