つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(211003)

おはようございます☀

 

昨日は初めてパーソナルトレーニングにチャレンジ。

熟睡して起きたところですが、いたる所がじんわりきています…!

 

2月に仕込んだお味噌ができました!手前味噌っていいですよね〜

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さて今週は4冊読みました。

「砂の王国(下)」荻原浩(著)

上巻に引き続き、面白くて一気読み。宗教は人を良くも悪くも変える、強固に作り上げたはずがその強固さに歯止めが効かなくなることがある。。。何なんでしょうね、良し悪し簡単に付けられるものじゃないなぁと、考えてしまう。一文無しのホームレスが大きなお城を築くまで、人や心はこんな感じで流れていくのかとリアリティがありました。お金と時間をかければかけるほどのめり込むし、その負債を良いものにしなきゃ(邪魔者や他人のアラを探して保とうとする)、自分は大丈夫だと思いたい。結局のところ幸せという概念は、どんな立場でどんな状況でどんな心境であっても、自分の心が決めるものなのでしょう。

 

 

 

「自分の中に毒を持て」岡本太郎(著)

岡本太郎さんの本は2冊め。

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人生、即、芸術。好奇心を大いに発揮して、真剣に、無条件に、人生をひらく。

人生、即、絶望的な闘い。命がけで、成功したなんて思うことなく無条件に生きるほうが、素晴らしい。熱く真っすぐに生きたいなら、そういう人、突き抜けている人の言動想いに触れるのが一番ですね。

 

 

 

「生きるぼくら」原田マハ(著)

友人Kちゃんに教えてもらったのですが、こちらも一気読み、最後まで丁寧に良い驚きを持って締めるのは、やっぱり原田マハさん。出会いで、身体を動かすことで、心揺さぶられる体感で、人は変わります。出会いとは「出」という漢字の通り、まずは一歩自分の外に出なければ始まらないのですよねぇ。その一歩は切羽詰まったところからでも、着実なものでも戦略的なものでも、ひょんなことからでも、とにかく一歩。誰かの体温、心を感じられる関係からの広がり、深まりがどこまでもいくんだなぁと感じました。具体的で、現実的で、がんばればきっと手が届く「希望」。「がんばらなくても、みんな一緒に生きているのよ」という、おばあちゃんが田んぼにかけた言葉も、「生きることをやめない力を持っている」と思えた人生の心の声も、美しい。自然と、誰かと、弱い自分とも、共存していることを温かく感じられる一冊でした。

 

 

「ブラックマーケティング 賢い人でも、脳は簡単にだまされる」中野信子(著)、鳥山正博(著)

これも面白かったですねー!修士論文の研究テーマが脳の性差だったので、脳科学的情報になるほどー!と驚き興奮しながら学びました。「ハマりたがる脳」を刺激する罠の数々、ドーパミン依存の真実は恐怖もリアリティも感じられます。誰かにとって「信じられない」ことも、誰かにとっては「楽しい」ことだということ。ハマるタイプかどうか、ハマっているかハマっていないかで、世界や規準が様変わりするのでしょう。

脳の性差ではないところで、女性の生きづらさは万国共通で引き起こされている(ステレオタイプ脅威、根強い意識的な問題である)こと。日本人とアメリカ人では脳の構造的に違うところ(不安を感じやすい、自己決定に快感を持ちづらい日本人に多い傾向)もあるが、集団の意思を尊重したほうが生きやすい社会が稲作で築かれてきたことや、自然災害が非常に多いこと(世界の被害総額の約2割を、世界の陸地面積の0.28%しかない日本が占めているという事実。)といった環境圧力も、国民性や遺伝子の適応に寄与していること。「何をしてでも勝つ」より「美しく散る」ことを選ぼうとする、サムライの遺伝子の話も興味深かったです。合理的な行動よりも、忠義や信念や意地に基づいた情緒的な行動のほうが「サムライらしい」と受け止める傾向が強い、と。

終盤はAIじゃないからできること、自由な発想ができる場所の確保が私たちにとってとても重要なのではないか?など、これからの時代を生きる条件についての問題提起がされています。日本人は新商品を棚に並べることに寛容でチャレンジしやすい、どんどんつくって消費者に価値を問うマーチャンダイジングであること、イグノーベル賞で健闘しているということ。思考の自由度って大切だと改めて感じました。