つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(210530)

おはようございます。

 

今週届いた青梅。

そんな季節なのですね〜3年前からの恒例行事、今シーズンも梅しごと。梅シロップを作ります。

 

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さて今週は3冊。

坂の上の雲(三)」司馬遼太郎(著)

日露戦争が始まりました。日本ほどの小国がロシアに挑むこと自体、どれほど無謀だったことか。それでもやる他なかったということ。敏腕な人だけがいたらいいわけでなく、チームで行動するということ。それぞれの人の熱意が必須だということ。いろいろと、考えさせられますね。

登場人物の個性、人間味あふれる様子がとても面白いです(歴史の授業を暗記としか思っていなかった、学びの本質を全くわからないままインプットしていたため、私はなおさらそう思います。)。

 

 

「ヤマネコ・ドーム」津島佑子(著)

太宰治の娘である著者(読み終えてから気付いた)。最近読んだ本の巻末紹介で、興味を持ってなんとなく。

テーマは混血孤児の生き辛さ、放射能で汚染された世界。あくまで私個人が感じ考えたことですが、ひと通り読んでいて、心の消耗というか、不気味さを覚えました(かなりクセのある強烈本だと思うので、読んだ人によってさまざまな感想を持たれると思います。)

この不気味さはなにか?自分なりに分析すると、一つは時系列がバラバラで綴られる、秩序がないように見える不自由さ。読みづらい(自分にとって取り込みづらい)=なんか不自然、ってなるんだの気付き。そしてもう一つは、見えない誰かの心身を犠牲にすることで成り立つ世界の構図。見えづらいだけで、そこらじゅうで実際に起こっていること。それが露呈するストーリー。心がざわつきますが、身近なことを考える、自分自身の心を知るための材料になる一冊です。時間が経ったらもう一度読みたい。

 

 

「生かされて。」イマキュレー・イリバギザ(著)、スティーヴ・アーウィン(著)、堤江実(訳)

キープレイヤーズCEOの高野さんが、LinkedInで紹介されていました。1994年にルワンダで起こった、民族大虐殺で生き残った方の手記です。この世の話かと思うほど、同じ人間間で起きたことだと信じたくない、身の毛もよだつ恐ろしい事実がありました。

小さなトイレで何ヶ月も息を潜めていた、何もかもを奪われて祈るしかなかった著者。「あなたたちは、皆、(殺された赤ん坊も大虐殺を行うフツ族の大人も)、私(神様)の子どもたちです。」という啓示。極限状態でそれを受け容れられる著者の心。魂は等しく、悪魔に占領されているだけなんだと思い許した場面。信仰がたやすいことだったら、すべての山は動いてしまう。兄ダマシーンの死に様が、人間の尊厳の体現だったこと。感動なんて言葉では書き表せないほど、深いです。

「祈りと肯定的な考え方とは、ほとんど同じことなのです。」私はこの言葉が一番好きで、この言葉に救われたような気分になりました。