つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(210110)

おはようございます。今日も寒いですね⛄

 

f:id:rmoryrim:20210110065230j:image

スニーカーを新調、初めてのオニツカタイガー

 

さて、今週は4冊。

大地の子(二)」山崎豊子(著)

大地の子(三)」山崎豊子(著)

大地の子(四)」山崎豊子(著)

先週に引き続き。

rmoryrim.hatenablog.com

残留孤児、戦争によって運命を翻弄され、中国での生存を強いられた日本人の話。

 

戦争とは分断。それぞれの違いを殊更に強調し、認められなくなり、距離感を誤ることで起こると考えました。

 

例えば男性と女性は昔も今も人間という共通点はあるものの、様々な点において異なる存在。なのにその違うところを過剰に取り上げたり、優劣や良し悪しのレッテルを貼ろうとしたり、違うことを無理やり一つに同質化しようとしたら、どうなるでしょう。

己や己が帰属する組織に対しての愛や誇り、守りたいという純粋な想いやりから始まったことだとしても、その反面相手に対する反感や嫌悪が生まれ、争いになると思うのです。そんな風に考えると、今急速に進むグローバル化は自然の摂理から外れるとしか思えず、争いの種になる可能性についても大いに納得できます。

そしてその悲しい分断はいつまでも、人々の心の内に痛々しい痕跡を残す事になる。

 

あとがきや解説には、著者の山崎豊子さんの想い、事実ベースで書かれた大地の子を作り上げるまでの数々の苦労が書かれています。残ることに意思がなかった孤児は本来「残留孤児」ではなく、「戦争犠牲孤児」という言葉を充てるのが適切だというところが印象に残りました。

山崎豊子さんは戦争の後何が起こったのか、市井の生活にどのような影響があるのか、その事実を衝撃と確かな言葉をもって伝えられました。そして未来のために、このことは決して風化させてはならない、ということを伝えたかったように感じています。

 

 

「夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録」ヴィクトール・E・フランクル(著)、霜山徳璽(訳)

ドイツ強制収容所生活から生還した、精神科医による記録。文字を追うだけで痛ましい、想像することもできないほど恐ろしい体験談と目撃談が出てきますが、現実に起こったこととして、目を背けてはならないと思います。

極限状態に置かれ感情の揺らぎを抑え、終いには自らの喜怒哀楽を自ら黙殺するようになる。目の前には何もない、言葉の通り絶望、失望の境地に立たされたとき、一体何が生死を分けるのか。生きるために絶対に必要なものはなにか。

それは「何故生きるかを知っている者は、殆どあらゆる如何に生きるか、に耐えるのだ。」「私を殺さないものは私をより一層強くさせる。」という、引用されたニーチェの言葉が全てかと思います。生きる意義、生きたい理由を持つこと、それこそが必要なこと、命を全うすることだと感じました。改めて命が絶えるその日まで、佳く生きていきたいです。