つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(200622)

おはようございます。

今週は6冊、保育園のJさんYさん夫妻に借りた本が面白くてどれも一気読みでした!

 

宮本武蔵(二)」吉川英治(著)

宮本武蔵(三)」吉川英治(著)

これも引き続き面白い。ミーハーな感想ながら、宮本武蔵ってかっこいいですね。強くて純で、こりゃモテるわ。

 

「働き方」稲盛和夫(著)

「生き方」と重なるところも多いが納得の一冊。

新しいことをするときは積極的な姿勢で限りなく自由な想像・発想を心がける。頭の良すぎる人は悲観的思想に走りやすいので、相談相手にするにも注意が必要。頭でっかちはよくない、ということですな。

 

「ファーストラヴ」島本理生(著)

父親殺害の話でどの辺がラヴなんだろう?と思って読み進めていたが、結果としてさまざまな形の愛を感じられるストーリーだった。親子関係の在り方、幼少期の記憶は親から離れ一人の大人になったとき、そして新たな家庭を築いた際の基盤にも、無意識にも(他人からすると)歪んだ(ように見える)常識や価値観にもなり得ると痛感しました。

 

「BUTTER」柚木麻子(著)

木嶋佳苗という女性が一躍有名になった、首都圏連続不審死事件を題材にした一冊。これも面白くて一気読みしました。本の中でキジカナは梶井真奈子(カジマナ)として登場する、かなり強烈な人物。近くにいたら週刊誌記者里佳のようにペースを乱され、エネルギーを吸い取られ振り回されるだろうな。所感がまとまらずもやもやするので、近々もう一度読む(そして追記しよう)。

・太ってるくせに、ブスなのにモテる、この矛盾を世間中は猛烈に叩いたが本当は不本意ながら「自己肯定が強い」「何度も求婚されるほど他人に求められる」「堂々としている」「自由な」カジマナに憧れての反動だったのではないか。

・つねに「事実」と「解釈」が乖離する、思い通りに思いたい、というどこまでもご都合主義の人間の性を見た気がした。

・カジマナに翻弄されながら、人間関係や家族との過去に向き合いながら変化していく里佳の姿は清々しいし勇気をもらえる。何度転んでも起き上がる、そのためには自分なりのポリシーがないといけない。

 

「流浪の月」凪良ゆう(著)

今週はどれもこれも面白くて読みまくったが、一番はこれ。一日で一気読みし、読んだあと実在しない登場人物たちの幸運を祈っていろいろ想像してしまった。ここまで心に沁み込む小説ってなかなか私にはなかった。文庫になったら買ってもう一度読みたいとさえ思う。

「本人たちが良ければ放っておけばいい」が何故通用しないんだろう、と何度も思った。裁かれるべき人が裁かれず、清い世界で生きようとしている人が報われない、もどかしい気持ちになる話だったがこういうことは普通にありふれている。善意や親切のようでただ無責任な決めつけが当人の心を深く傷付ける、でも関わり合わないと生きられない私たちの人間社会。

唯一の希望は、他人との関わりが時として生きる力にもなりうること。主人公の二人は出会えたことにより、確実に生きる希望を得られた。