つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(191104)

相変わらずのKちゃん文庫、今週は2冊です。

 

「カエルの楽園」百田尚樹(著)

日本の行く末が恐ろしくなるカエルの寓話。尊敬してやまないKさんの「上も下も右も左も知って初めて、自分の見識を持てる」という言葉を聞いたところで、タイムリーでした。誰にとってもわかりやすいし、フィクションだけどいま国内外で置かれてる日本の状況から何を考えるか、きっかけとしてはとても大きな機会を与えてくれると思います。

ナパージュ(napajを逆さから読むとjapan、この他ほとんど全ての登場人物が実在する国や人をモデルにしているところも面白い。)は三戒(おそらく憲法9条を指す)と謝りソングがあるから平和だと思っているけど、本当にそうか?私たちは戦争がない、極めて平和といえる国にいるわけだけど、これは憲法9条単体の実績だと捉えて未来永劫全てそのままで、大丈夫だろうか。知識を深めてくれる教育、情報を届けてくれる報道機関は果たして真実か…etc.さくっと読める一冊から、考えられることはたくさんありました。

ブログにこういったことを書くのは迷ったのですが、ど素人ブログでたった一意見を表明することは何でもないだろうと思ったし、意見を持たず考えないカエルが最も危険だとも思うので少し書きたいと思います。

国を守ることは私たち国民の一大義務と考えていいのではないか。暮らす場所が滅びては、元も子もない。憲法9条に限らず無常、変化は止まらない世の流れの中で、変えたり手放すほうが守るべきものを守りやすくなるケースもあるのではないか、と。

「何かしなくちゃ!」と思ったものの、すぐに私ができることと言えば考えることと、選挙に行くことくらいなのかなと考えます。候補者や政党を選ぶとき、さまざまなトピックがありますよね。それをちゃんと見て考えた上で一票を投じないといけない、と、まとまった気付きとしては大変ありきたりなのですがそう思いました。

 

 

「17歳からの死生観 高校生との問答集」山折哲雄(著)

「日本の次世代リーダー養成塾」というサマースクールで、宗教学者山折哲雄先生が高校生に向けて講義、質疑応答をした内容です。「宮沢賢治」「日本人」「無常観」「非暴力思想」の4つの観点から、死生を考えるといった内容。

まずこのような機会を得られるごくごく一部の高校生、羨ましいなと思いました。自分の息子たちは誰と出会い、どんな機会を掴めるんだろう。もう学生ではないけど、私自身もそう。学生生活、なんとなしに普通に過ごしていても卒業はできるだろうしそれなりの教養も楽しみも得るだろう。でも、周りを注視したら上にも下にも東にも西にもさらなる出会い、学びのチャンス、人生のターニングポイントになる心震える出来事もあるんだろう。そのために私たちは何をしたら良いのだろう。

 

身になるネタがありすぎたので、箇条書きで。時間が経ってまた借りて読むかもしれません。

・「食べるものは食べられる、動物と人間は対等」という宮沢賢治の考え方

・奇跡に満ち満ちているのが人生、だから奇跡という言葉は使わないほうがいい。分からないことと付き合うことが、生きることだと思い定める。

・日本人の心の支えが「母」「死」「神」から「自分らしさ」「楽しむこと」「笑顔」に変化している。

・自然を大きく、人間をちっぽけに描く北斎や広重と、天災に怒らず穏やかに受け止めようと努める日本人の自然観とは。

・この世の三原理、世界観、自然観、宗教観が生み出した日本人の「天然の無常観」。

・「殺すな」を守れないから「命を大切にしよう」と言い換える、偽善に耐える覚悟を持って言葉を選んでいるのか。矛盾に気付いて生きているか。