つれづれ味わい日記

都内で働く3男児母の備忘録。暇さえあれば本読んでます。

今週の読書記録(190815)

おはようございます。

8/9-14で実家方面に帰省しており、記録が遅れました。今週末は義実家へ行ってきます。

 

「震災後 こんな時だけど、そろそろ未来の話をしようか」福井晴敏(著)

「バスジャック」三崎亜記(著)

 

引き続きKちゃんに教えてもらった本を読んでいます。

震災後は、東日本大震災原発事故)を題材にした小説。フィクションかノンフィクションかわからないリアリティがあります。「未来を返せ!」という中学生の言葉も、「分かっているけどやめられない」大人と社会の闇も、無力を痛感した震災時以降(今も続いている)の苦痛も、子どもが子どもらしい希望や夢を持つのが難しい現状も、自分自身のリアルな痛みでもあるので読み進めるのが辛くもなりましたが。読んでよかったです。特に最後の講演シーンは圧巻、読み応えがものすごくあるので特に味わって読んでほしいところ。語り出しの「未来の対になる言葉は、たぶん将来です」「見よう、見せようとしなければ見えないし、手にも入らないもの……それが未来です」は何度読んでも良い言葉だと思います。私はこの小説を読んで「未来」という言葉が好きになりました。

 

 

「バスジャック」は短編集で、それぞれの話に現実要素と非現実要素が混ざっていて不思議な面白さがありました。楽しく軽く読めます。最後の「送りの夏」は生死を扱う深めな話ですが、私は一番好きでした。死と向き合うこと、決して戻らぬ存在を受け入れることってどういうことだろう。「生きること」の延長に「死ぬこと」があるのだから、それは生きること、今ここにある自分や周りの人の存在をどう考えるか、想うかということにもなる。一方的な気持ちの押し付けではなくて、互いの存在や考え、やろうとしていることを認め合える優しさ。ここでは「信じる」ではなく「信頼する」と表していたけど、まさに信頼できる人と生きていきたい。

蒼井優さんと山ちゃんの結婚会見でたしか「許せないものの基準が一緒だった」ってどちらかが話していたけど、この感覚ってすごく大事だよなとふと。好きなものはばらばらでも楽しくやっていけるけど、許せないものの範囲が全然違ったら、一緒に生きていける気がしない。